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2010-01-26

出版業界の復活はパッケージングにあり

出版不況と叫ばれて久しいですが、小説界だけ例にとっても、その実情は数字以上に厳しいものがあります。村上春樹、東野圭吾、伊坂幸太郎、宮部みゆき、佐伯泰英ら、メガヒット作家が存在する一方、かつては、単行本を出せば最低でも三万部くらいは確保できた中堅作家が急速にいなくなりつつあります。つまり作家構造は、ピラミッド型から中段が急速に抜け落ち、極端な二極化へと急速にシフトしているのです。
 その原因は様々に取り沙汰されていますが、出版数の多さ、読者の可処分所得の減少、読書に当てる余暇時間の減少といった原因から、読者が「本を選ぶ」ことを放棄し、「外れのない安全牌」ばかりを選んで買う傾向が定着したためでしょう。
 個々の作家は何とかして1%に満たない「勝ち組」に身を置くべく、作品の品質に磨きをかけねばなりません。しかも、ゼロサム社会であるのは歴然ですので、1億円プレーヤーの誰かを蹴落とすべく(歴史作家の場合、すでに亡くなった巨匠)、書き続けるしかありません。しかし、それでは寂しいですね。
 一方、出版社サイドは底堅い「三万部プレーヤー」を作り出すないしは復活させるべく、様々な策を練らねばならないはずです。しかもAMAZONのKINDLEの足音がひたひたと迫ってくる昨今ですので、本という形態をいかに生かしていくか、工夫を凝らさねばなりません。
 本という形態を復活させるためには工夫が必要です。ここでは私なりの提言をさせていただきます。
 例えば、同一作品の新作を競作させる。信長をテーマにした新作長編の競作とか、またそれが変じて、同一作品を三人の作家がリレー形式で描く(もちろん単体だけでもクローズしている形式で、読者に読み続けるか否かの選択を任せる)。信長なら信長の生涯を三分割して、青春が得意な作家には第一章を、人生の上り坂が得意な作家には第二章を、滅亡が得意な作家には最終章を(笑)、という具合に描かせる。もちろん三作品買った人には限定のおまけを付ける。
 さらに、新撰組の各キャラを別々の作家に描かせて、全巻買った人だけに限定BOXを付ける。おまけに初回時のみ限定フィギュアを付ける。新撰組でなくても関ヶ原の主要キャラでもこれはできる。
 作家インタビューや舞台となった地の風景などをパックした限定DVDを付けることもできる。これがあれば作品のイメージが広がり、小説の価値がどんと上がるでしょう。
ネックとなる要素は多々あれど、作家と版元のベクトルが一致している限り、いくらでも解消はできるはず。こうしたちょっとした工夫次第で出版業界は復活すると、私は信じています。
プロフィール

伊東潤

Author:伊東潤
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『巨鯨の海』
『王になろうとした男』
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『野望の憑依者』
『池田屋乱刃』
『死んでたまるか』
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