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2010-06-02

『戦国鬼譚 惨』おかげさまで好評です

惨帯なし1

「代表作の一つにはしたい」とは思っていた『戦国鬼譚 惨』ですが、メールをいただいた皆様から、ここまでの賛辞をいただけるとは思ってもみませんでした。
 まず全体を通して「面白い」というご意見が多数ですが、何人かの方からは「泣けた」という声もいただきました。また専門的なご意見としては、「描写が緻密」というものまでありました。
 皆さん、どの短編が好きかという点でも、見事にばらけています。これも短編集を書く上で、命題であった「作品のばらつき」がなかったということで、胸を撫で下ろしています。
『木曾谷の証人』は、国人の生き様と家族愛をテーマにしたものですが、思いもしなかったラストには、多くの拍手をいただきました。
『要らぬ駒』は、精緻な城郭攻防戦描写と、これまた予想を裏切るラストにご満足いただけたようです。
『画龍点睛』はMost Favoriteな一篇ですが、その構成の妙と信虎の毒キャラぶりに、多くの賛辞を頂戴しました。確かに、信虎を書いている最中はトランス状態でした。完全に乗り移られたなと(笑)。
『温もりいまだ冷めやらず』は論議を呼びそうな設定でしたが、後味は爽やかという声をいただきました。高遠城攻防戦という歴史作家なら誰しも書きたいと思うであろう大落城譚を、愛をテーマとしてうまくまとめられたのは幸いでした。
『表裏者』は、すでに『天下人の失敗学』で発表した本能寺の真相を小説化したのが、この一篇です。読者の方々から最も支持されている一篇ですが、意外に本能寺の変の解明という点では、言及されていません。ご興味のある方は、ぜひ『天下人の失敗学』をぜひご覧下さい。
 どちらかというと、私の追い求めるテーマである滅亡や終焉は、暗い題材かもしれません。しかし、それだけ世相を反映したものだと思います。
 もう坂の上に雲はない(夢は描けない)時代なのです。
つまり今は、司馬先生のように上り坂の青春物語を描く時代ではなく、滅亡や終焉から何かを学び取ろうとする時代です。そうした時代的要請に応えるべく、これからも滅亡や終焉を描いていこうと思います。
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伊東潤

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