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2010-10-07

それでも口惜しい上目線

伊豆と熊野の比較論はもうやめます。
もうきりがないからね(笑)。

しかし、詩人の方が仰せになった「展開が読めてしまう」について一言―。
まず、どこから展開が読めたのか。展開がどうなるか分からないので、最初からというのはありえません。おそらく「秀吉の密命を帯びた者がシサットの傍らにいる」というくだりを読んだあたりからと推測できます。シサットの傍らには二人しかおらず、片方のキャラが「陽気で脳天気」なのだから(笑)、展開を読もうと意識していれば五割以上の確率で当たりますね。
しかも作者は、それを予感させるべく随所に伏線を張っています。
ハリウッド作劇術でよくあるのですが、誰が黒幕・犯人・裏切り者かは何となく観客にわからせるけど、いつどうやっていかに裏切るか、わからせるかにストーリー・テラーの真骨頂があるわけです。
観客はそれを楽しみつつ、「やっぱりね」と思って、自らの鑑賞眼に酔えるというわけです。観客は方法論なんて気にしません。自分が怪しいと見抜いていた奴がやっぱり黒幕・犯人・裏切り者であっただけで、十分に満足するのです。

それも、『幻海』では、しきりに随所で裏切りを匂わせていますね。
この種の撒き方がいいでしょ(笑)。
すなわち、展開を読むことを意識していれば、必ず「展開が読める」ように書いてあるのです。
私はお金を払って買っていただいた読者の方が、上目線で「私はわかっていた」と思っていただきたいがゆえに、懸命に伏線を張っていたというわけです。

それを公共の電波で自慢されてもね(笑)
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伊東潤

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『王になろうとした男』
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