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2011-12-12

今年の総括【第一回】『関東戦国史と御館の乱』

関東戦国史カバー2

2011年の最初の発表作品は、初の歴史研究新書『関東戦国史と御館の乱』でした。
この作品は乃至政彦氏との共著という形を取りましたが、その乃至君は、この十二月、第二作の『上杉謙信』を同じ洋泉社から上梓しました。
デビュー作一発で終わらず、年内に第二作を出した乃至君は、私の見込んだ通りの大物でした。
謙信公を尊敬しながら、研究者としての客観的視点を失わない乃至君には頭が下がる思いです。その内容も、謙信研究の最新成果をまとめ、さらに独自の論考も随所に盛り込んだ申し分のないものです。
私が推奨する必要もないほど堅牢に組み上げられた作品なので、ぜひご一読下さい。
むろん出版順序は逆になりましたが、合わせて『関東戦国史と御館の乱』をお読みいただくと、壮大な越後戦国史が網羅できることになります。
次は景勝かな(笑)。

上杉謙信の夢と野望

ということで『関東戦国史と御館の乱』は、私にとって初の共著となりましたが、実は、この本を出すことは別の意味もありました。
元々、上杉三郎景虎を主役に据えた『北天蒼星』の調査段階で乃至君と知り合い、その斬新な見解に魅かれ、共著を提案し、乃至君のデビューを助けたわけですが、それだけではなく、小説に先んじて新書を出したわけは、小説の作劇上、景勝と直江兼続を悪役にする必要があり、それを私の史実の見解と思われては困るということがあったわけです。
まさか小説を作家の見解と思い込む方はいないと思いますが、その誤解を回避する上でも、『関東戦国史と御館の乱』を出すことには意義がありました。
おかげさまで、ネット上での批判は皆無に近く、景勝ファンからも「新書も小説も楽しめた」という意見をたまわり、感慨無量でした。
「新書で歴史的見解を発表→小説の発表」という形式を取ることは、別の題材ではないと思いますが、歴史研究分野にも片足を突っ込んでいる私のような執筆家にとって、一つの方法論を提案できたと思います。
ただ一つ残念なことは「小説家と在野の研究家の共著」ということで、多くの方々に偏見を持たれたことでした。
「日本人のアカデミズムに対する無意識の尊崇」を克服することは容易ではありません。
ただ、どこに出しても恥ずかしくない研究成果として、学界にも一石を投じることができただけでも十分です。
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