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2011-12-13

今年の総括【第二回】『戦国鎌倉悲譚 剋』

『戦国鎌倉悲譚 剋』カバー(帯つき)

新書に続いて新作長編の登場です。
この作品は、前年11月発売の『KENZAN!』に一挙掲載されたものであり、それをさらに幾重にも推敲し、単行本として出したものです。
戦国時代の鎌倉を舞台にした武将と尼僧の悲恋――。
仏への愛と生身の人間としての愛の相克に悩む主人公――。
という「武辺者」の私らしからぬ題材とテーマですが(笑)、その内容には自信があります。
この作品で私は、内面の葛藤を精緻に描き出すことで、古典的純文学と歴史小説の融合を試みました。
そう言うと、動きの少ないじくじくしたものを想像しがちでしょうが、実は全くその逆で、ストーリーは対立、葛藤、共感、混乱、反目、そして和解という局面が次々と展開され、そのバックグウンドで、北条家の躍進から小田原合戦という時代が動いているという趣向ですので、飽きさせるはずがありません。
静と動のコントラストをより鮮やかにするため、合戦シーンも、常よりもさらに真に迫るものとなっております。
そして最も苦労したのがラストシーンです。
玉縄開城という一見、盛り上がりに欠けるイベントをラストに持ってこなければならなかったにもかかわらず――。
その手際は、読んでいただけば分かります(笑)。

私が自己満足的文学作品を書くわけがないのは、皆様、ご承知の通りです。
「文学的な香りを漂わせつつ、徹底してエンタメであること」こそ、私がこの作品で目指したものです。
題材的には地味な作品ですが、ぜひご一読いただきたいと思っております。
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伊東潤

Author:伊東潤
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