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2012-06-14

海洋冒険小説と歴史小説の融合を目指した『幻海』

幻海(帯なしBIG)

作家にとって大事な要素の一つにダイバーシティ(多様性)があります。
多様性とは、様々なジャンルを股にかけて書くことだけではなく、特定ジャンル内で小説的趣向を凝らすこともそうだと思います。
私の場合、執筆にあたりテーマとは別に、どのような方針で、どのような趣向を凝らすか考えます。
 
『虚けの舞』 デュアル・フィードバック手法(二人の回想が錯綜し、最後に収束される)
『武田家滅亡』多視点群衆小説(最後は”滅亡”に向かって全員が収束していく)
『山河果てるとも』 青春小説と歴史小説の融合
『疾き雲のごとく』 主役の視点をなくした連作短編集
『戦国無常 首獲り』倒叙法ミステリーと人間ドラマの融合
『戦国鬼譚 惨』歴史ミステリーと人間ドラマの融合
『幻海 The Legend of Ocean』海洋冒険小説と歴史小説の融合
『戦国鎌倉悲譚 剋』 古典的純文学と歴史小説の融合

これは、どちらかというと大方針であり、すべての作品には様々な趣向を凝らしています。『黒南風の海』での前半と後半の視点スイッチとか、『義烈千秋』での下仁田戦争場面におけるドキュメンタリータッチの導入などですね。
 海洋冒険小説と歴史小説の融合を目指した『幻海』では、史実ぎりぎりの線に沿いつつ、「これもありかな」という話を書きました。
 つまりこの作品は、ファンタジーではなく伝奇ロマン系の作品になります。それゆえ、『アバター』的なファンタジックな世界を期待されても困ります。
 また宗教小説ではないので、「布教の苦しみが伝わってこない」とか「深みがない」などと言われても、ため息をつくしかありません。
 ストーリーとは関係ないファンタジックな世界を調子に乗って描いたり、宣教師の苦しみを連綿と嘆いたりすることで、冒険小説の面白さは確実に損なわれます。
 この作品のポイントは、「疾走感」にあります。
また、当時の航海や船戦がどのようなものであったか、それを綿密な文献調査により再現して見せたところもウリです。
『幻海』は、海洋冒険小説の不朽の名作『白鯨』や『ロードジム』に比肩しうるものという自信があります。
 この奇想天外な物語を、心ゆくまでお楽しみいただければ幸いです。
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伊東潤

Author:伊東潤
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『巨鯨の海』
『王になろうとした男』
『峠越え』
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『野望の憑依者』
『池田屋乱刃』
『死んでたまるか』
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