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2012-08-03

物語性重視の時代を生き抜くには

第三回です。
物語性重視の時代に生き残るためには、これまでにないようなオリジナリティ、巧妙精緻な構成、共感を呼ぶ心理描写(人間観照力)、ダイナミックな展開、誰でも分かるテーマ性(現代の写し鏡)、肚にずしんと落ちるカタルシスないしは「どんでん返し」といった要素が必要です。
さらに歴史小説特有の必須要件として、歴史解釈力があります。これは膨大な知識に裏打ちされていないと、なかなかできることではありません。歴史研究は一次史料に裏打ちされたものしか提示できませんが、小説は軍記物や二次史料を引用し、「これもありだよね」という線までは解釈力を駆使できます。
こうしたハードルをクリアした作品を、次々と趣向を変えて書いていかねばならないのが、物語性の時代を生きていくことなのです。
さらに、それを横に広げるようなダイバーシティ(多様性)と、コンスタントに作品を送り出していけるプロダクティビティ(生産性)が必要となってきます。
この多様性と生産性が曲者です。
ちなみ私も小説誌三~四誌に対して、だいたい月一作ペースで短編を書き続けています。それぞれテーマを変えた連作という体裁を取ってはいますが、多様性を維持しつつ生産性を落とさないようにするのは、並大抵のことではありません。
それでも物語性の時代に生き残るには、やり遂げねばなりません。
その先に待つもの(次のトレンド)が何であるかは分かりませんが、歴史小説のバトンを後世に引き継いでいくために、ここでがんばらねばならないと思っています。
プロフィール

伊東潤

Author:伊東潤
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【最近の作品】
『巨鯨の海』
『王になろうとした男』
『峠越え』
『天地雷動』
『野望の憑依者』
『池田屋乱刃』
『死んでたまるか』
ホームページ
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