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2012-11-12

『義烈千秋』四刷達成!

天狗党カバー1

おかげさまで『義烈千秋 天狗党西へ』が四刷を達成しました。
定価2,200円(税別)もの本が、まさか四刷まで行くとは思いもしませんでした。
直木賞候補となった『城を嚙ませた男』が、すでに四刷を達成しているので、自己新ではありませんが、2012/01に発売され、自作の中では地味な扱いを受けていた『義烈千秋』が、発売から一年弱で四刷を達成したことは望外の喜びです。
しかもここ半年余、同じくらいの冊数がコンスタントに売れているということで、じわじわと評判が広まっていることが分かります。
この作品は、その時点での集大成として真っ向から取り組んだ書き下ろし長編です。まさに持てる力をすべてぶつけました。しかも、初の幕末物ということで綿密な史料調査を行い、下見も2泊3日を三回も実施しました(水戸、下仁田、敦賀など)。
文芸評論家の縄田一男先生からは、日経新聞の書評において「ラスト1ページの感動は、司馬遼太郎『燃えよ剣』のそれに迫るといっていい。現時点における作者の最高傑作といえよう」というお言葉をいただきました。

幕末に起こった様々な事件の中でも、特筆すべき悲劇である天狗党の乱は、その壮絶な最後から、幕末ファンの中でも忌み嫌われ、「内ゲバ」という一言で片付けられることの多い事件です。
中高生の頃、司馬先生の幕末物に耽溺していた私も、天狗党には否定的な見解を抱いていました。
澄みきった青空のような竜馬に比べて、藤田小四郎たちのどんよりした血生臭さは喩えようもなく嫌なものでした。
しかしそれが、司馬先生特有の偏見から出ていると知ってからは、考えが変わりました。
さらに「水戸市史」などの研究史料を読むことで、天狗党蹶起の理由が、北関東の農家を守ることにあると知りました(詳細は「水戸市史」等の史料をお読み下さい)。
単なる藩閥内の勢力争いではない最も純度の高い闘争こそ、天狗党の乱なのです。
今回も、様々な方がネット上のレビューなどで、「内ゲバ」という言葉を持ち出し、天狗党の行動を非難してきましたが、そうした方々が、どれだけ水戸藩の内紛について知っているのでしょうか。
この一事を通じて、多くの方が、いまだ司馬史観に縛られていることを強く感じました。
昭和が遠く去った今こそ、ぜひ『義烈千秋 天狗党西へ』をお読みいただきたいと思っております。
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