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2012-12-15

2012の総括

いよいよ師走ですね。
毎日のように通っているデニーズのBGMもクリスマス・ソングになりました(笑)。
ということで、今年も一年を総括する季節がやってきました。
昨年(2011)、新作だけで5.5冊(共著が1冊あるため)という状況から、今年は文芸作品のみ3作品の上梓ということで、少し落ち着いたペースとなりました。

天狗党カバー1

まず1/25、『義烈千秋 天狗党西へ』が発売されました。
初めての幕末物ということで、多少の重圧を感じながら執筆を始めたのですが、幸いにして、すべてがうまくいき、最高傑作と自負するほどの作品に仕上がりました。
2011は、ほかに出す本が立て込んでいたこともあり、初稿脱稿から約九か月後に発売という日程的な余裕ができたのも幸いでした。おかげで二泊三日の取材旅行を、何と三回もしました。そのため、天狗党の全工程の四分の三ほどをカバーすることができました(それ以前に城めぐりで回っていたこともあり)。
作家をしていると、あらゆる要素が化学反応を起こし、すべてうまく進むことがありますが、『義烈千秋 天狗党西へ』は、そういう幸福な作品でした。
おかげさまで税込\2,310という価格でありながら、四刷まで行くという販売面でも満足のいく結果となりました(それでも物足りないですけどね)。

叛鬼(帯付き)

続いて5/16に『叛鬼』が発売されました。
幕末から室町末期へと時代は飛び、関東の戦国時代の幕開けとなった享徳・長享の乱と、その間に挟まれる長尾景春の乱を描いた作品が『叛鬼』です。
実は、この時代を理解し、自分のフィルターを通して物語として結実させるのは実に大変でした。私が最も苦労した作品は、朝鮮半島を舞台にした『黒南風の海』でしたが、『叛鬼』は、それに匹敵するほどの膨大な情報量を咀嚼しなければならず、準備にも時間がかかりました。
それでも担当編集の力を借り、地の文での状況説明が冗長になっている部分は、すべて何らかの形で処理していったので、最終的には満足のいく仕上がりとなりました。
言うまでもなく、作品中に出てくる城や古戦場の大半に行っていますので、土地勘もありました。
おかげさまで二刷であるにもかかわらず、トータル販売数では『義烈千秋』を上回りました。

国を蹴った男カバー横500


さて今年最後の新作は、満を持して10/25に発売された『国を蹴った男』です。
二年にわたり「小説現代」に掲載されてきた短編を一冊にまとめた作品ですが、テーマは「敗れざる者たち」で統一されています。
最初に『毒蛾の舞』を書いたのですが、今日では、敗者としてしか評価されない佐久間盛政の立場で賎ヶ岳合戦を考えた時、別の見方もあるのではないかと思ったわけです。
同一テーマの連作短編が六篇も並べられたのは、幸いでした。
有名作家そろい踏みの「2012冬の陣」のあおりを受け、12月中旬時点で重版はかかっていませんが、必ず重版がかかると信じています。
このほかにも2012は、『疾き雲のごとく』『幻海 The legend of ocean』『戦国鬼譚 惨』『山河果てるとも 天正伊賀悲雲録』の四作品が文庫化されました。

疾き雲のごとく(帯付き)1

幻海(帯なし)1

『戦国鬼譚 惨』文庫帯付き

山河カバー(中)

文庫化に際して、私の場合、物語の基本的骨組みは変えませんが、文章には大幅に手を入れます。それゆえハードカバーをお読みになった読者も、ご一読いただくと面白いと思います。
とくに初期作品の『山河果てるとも』(12/25 角川書店より発売)は、全文修正に近いほど力を注ぎました。それゆえ仕上がりには満足しています。
ということで、いよいよ2012も終わろうとしています。
専業作家になって三年目、そして年初に第146回直木賞候補になるという記念すべき年を、代表作となるであろう三作品で飾れたことは、たいへんな満足です。
これもひとえに読者の皆様方のおかげです。
来年もご贔屓のほど、よろしくお願いします。


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伊東潤

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