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2013-12-09

十二月の近況報告


ここのところ多忙で、なかなかブログの更新ができていませんでした。
まとめてご報告いたします。

・角川三賞贈賞式&祝賀会
11/29には、角川三賞贈賞式&祝賀会が東京會舘で行われました。第四回山田風太郎賞は、角川三賞の一つになります。あとの二つは公募新人賞ですね。
おかげさまで、たいへん盛大な会となりました。スピーチは、手短に当たり障りのないものとしました(苦笑)。
この賞の名に恥じぬ作品を書き続けていくつもりです。

・会津取材旅行
12/2から一泊二日という慌しい日程でしたが、会津方面への取材旅行に出かけました。
一日目はイマイチな天気でしたが、会津城周辺をめぐり、白虎隊終焉の地である飯盛山にも登りました。
翌日は快晴の下、新政府軍侵攻ルートを逆に走り、猪苗代城、母成峠、二本松城などを見学しました。
これは、「小説新潮」連載中の『死んでたまるか』という大鳥圭介の物語と、来年二月に講談社現代新書として発売される『城を攻める 城を守る』の会津若松城篇の取材を兼ねていました。

・「この時代小説がすごい大賞」の(単行本部門)一位を『巨鯨の海』が獲得、さらに作家別ランキングでも一位を獲得しました。
これは文学賞というよりもランキングですが、一位というのは、実に気分がいいものです。
また『国を蹴った男』も七位に入りました。
ベストテン内に二作も送り込めて感無量です。
というのも、このランキングは、書評家、ライター、読み上手の書店員さんなどの投票を元にしていますが、ベストテンは一作家一作品で選んでおり(そういうルールはありませんが)、一作に絞られがちなので、二作を送り込むのは、うまく票が割れないとできません。
ということで、この賞も「このミス大賞」のように育ってもらえればうれしいです。
また文庫書き下ろし部門は、上田秀人氏が受賞しました。
上田氏とは一度会っただけですが、その場で意気投合し、今回もメールで喜びを分かち合いました。
上田氏と一緒に一位を獲得でき、実にうれしいです。

この時代小説がすごい2014




・『北天蒼星 上杉三郎景虎血戦録』
12/26、いよいよ『北天蒼星』が文庫化されます。どのような逆境にあろうと、「甲相越三和一統」という理想の実現のために、最後まであきらめずに戦い続けた三郎景虎の生き様を、じっくり味わって下さい。
今回は、ワードデータからやり直すほど推敲に力を入れました。
またこのカバーは、北条氏の甲冑に詳しい友人の協力を得て、三郎景虎の甲冑として「あり得る」ものを考え、それを元に、画家の横山氏に描いていただいたものです。
弱々しい美男子という三郎景虎のイメージが、これで一新できました。
また一言、言わせていただくと、単行本発売時、作中で「上杉景勝と直江兼続を悪役として描きすぎている」という意見がネット上で多くありましたが、三郎景虎視点なので、そんなことは当たり前で、小説の本来的意味を考えていただきたいと思います。
小説家というのは、己の主張や意見を作品に反映させるものではありません。そうでなければ、面白い話など書けません。ましてやプロが、「この武将は好きで、この武将は嫌い」なんていう発想はしません。
“本格”歴史小説家は自己主張や自己顕示欲を封じ、史実に忠実でありながらも、解釈力を駆使し、いかに面白い話を書くかに存在意義があるからです。
また、そうした意見が出ることを想定し、事前に、『関東戦国史と御館の乱』(洋泉社)という新書を、上杉氏研究家の乃至政彦氏と共著で出しています。そちらには、私の知見や主張が述べられています。少なくともそれを読んでから、ネット上で意見を述べて下さい。

http://www.bookservice.jp/layout/bs/common/html/bunko/index.html

北天蒼星(文庫カバー1)

・『王になろうとした男』増刷!
ここのところ初版の刷数が多くなっていたのですが、何とか今回も最初の目標としていた二刷まで行きました。これで単行本は、七作品連続増刷です。最新作の『黎明に起つ』は、さらにハードルが高くなっていますので、どうなることか――。

『王になろうとした男』ミドルサイズ

追伸
私が勝手に師匠と仰ぐ(笑)、山本兼一氏原作の『利休にたずねよ』の映画が全国公開されています。私は試写会で観せていただきましたが、日本映画史に残る傑作です。この映画を観ずして、今年の映画は語れません。それだけ原作と比肩するほどの掛け値なしの傑作です。しかも、原作を読んでいても十分に楽しめる作品です。
またこの作品は、大型スクリーンで観ることに価値があります。なぜかと言えば、完全な状態で観ない限り、利休の追い求めた「美」を理解できないからです。
絶対に映画館で観ることをお勧めします。
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プロフィール

伊東潤

Author:伊東潤
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【最近の作品】
『巨鯨の海』
『王になろうとした男』
『峠越え』
『天地雷動』
『野望の憑依者』
『池田屋乱刃』
『死んでたまるか』
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