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2011-03-03

いざ、出陣!

惨帯なし1

いよいよ吉川英治文学新人賞の発表が本日に迫りました。
今日は、候補者それぞれが、発表会場の近くの喫茶店で、各社の編集担当さんたちと、だべりながら受賞作の発表を待つことになります。これを待機会と呼びます。そして、めでたく受賞すれば、そのまま祝勝会へ、惜しくも受賞を逃せば、残念会へと流れていきます。
もちろん私にとって、初めての待機会です。

第三十二回吉川英治文学新人賞の候補作は―、
海堂 尊 『ブレイズメス1990』 講談社
貴志 祐介 『悪の教典』(上・下) 文藝春秋
辻村 深月 『ツナグ』 新潮社
富樫 倫太郎 『早雲の軍配者』 中央公論新社
百田 尚樹 『錨を上げよ』(上・下) 講談社
それと、私の『戦国鬼譚 惨』の以上六作品となります。


http://homepage1.nifty.com/naokiaward/kenkyu/furok_YENEWaward.htm


私を除き、すでに一家を成している方ばかりで、こうした方々とリングの上で拳を交えることができるだけでも、光栄です。

海堂尊氏は『チーム・バティスタの栄光』等で名を成した医療ミステリーの大家です。ご自身も医師だそうで、さらに作家の世界でも、このミス大賞を受賞した後、あっという間にベストセラー作家の仲間入りを果たした「陽のあたる道」をまっすぐに歩いてこられたエリートです。今日の医療ミステリーの大ブームを起こした元祖であり、業界全体への貢献に比して賞に恵まれていないので(山本周五郎賞の候補に二度なった程度)、「そろそろ」となってもおかしくないはずです。

貴志祐介氏は、今回の吉川新人賞ノミネート作『悪の教典』で、山田風太郎賞を受賞した上、同作で直木賞候補にもなった押しも押されもせぬ大家です。かくゆう私も、山田風太郎賞の授賞式では、拍手要員として手の平が痛むほど拍手してきました。その時は、「天上人」という感慨しか抱かなかったのですが、まさか三カ月後に、同じリングに立てるとは(涙)。過去、山本周五郎賞と吉川英治文学新人賞それぞれに一度ずつ候補となっており、まあ、堂々たる本命でしょう。

辻村深月氏は、講談社主催のメフィスト賞でデビューし、その後も、若い女性に圧倒的支持を受ける若手女流作家です。吉川英治文学新人賞には、過去三度も候補になっており(直木賞にも一度)、それを考えれば本命中の本命です。題材が連作短編集ということもあり、その趣向では正面から戦うことになります。辻村氏の題材は、選考員の先生方の作風とはかなり異なるので、それも優位な点です(選考は、作風が近いほど厳しいのです)。

富樫倫太郎氏は『陰陽寮』シリーズで、すでに時代小説ファンならおなじみですね。その候補作は『早雲の軍配者』ということで、私としてはいきなり本曲輪を急襲された感じです(笑)。同じ歴史小説であるということから、二作受賞はありえないので、こちらともガチンコ勝負でしょうね。この作品は、「週刊朝日」の年間歴史・時代小説ベスト10で、並みいる強豪を蹴散らし、堂々、第一位を獲得するなど、大評判の作品です。しかも富樫氏は、デビューしてから長らく下積みが続いたので、苦労人というのも好印象です。

百田尚樹氏は『永遠のゼロ』で圧倒的な支持を得た超ベストセラー作家です。しかも今回の作品『錨を上げよ』は、あえて得意のストーリー・テリング力を駆使せず、熱気で押しまくる青春物語とした点がすごいです。上下巻にわたる大長編でもあり、小説の既成概念を打ち破り、文学賞の評価といったものの枠からはみ出した恐るべき”代物”と言われています。『永遠のゼロ』以来の驚異的な売り上げ数に比し、賞には恵まれていないので(吉川英治文学新人賞候補に過去一度なった程度)、陰の大本命でしょうね。

このように、ため息が出るほど、いずれ劣らぬ強豪そろいです。知名度はもちろん、それぞれ受賞すべき理由も万全です。それに対し、私には作品以外に何もありません。
悲しいほど、全く、何も、ないのです(笑)。

ハスミンの狂気か、ツナグクンの愛か、風魔小太郎の戦術か、作田又造の熱気か、研修医世良の正義か、私以外の誰が勝ってもおかしくありません。
でも最近、私の耳元で信虎公が囁くのです。
「一度として人の上に立ったことのないおぬしには、わからぬかもしれぬがな、何も持たぬ者ほど、強い者はおらぬのだ」
最も勝ちたいと念じる者に栄冠があると信じ、行ってきます!

Here comes the 『惨』 ♪
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