FC2ブログ

2011-05-03

GWも休みなく

働いています伊東潤。
GW明けに締め切りが4つあるので、ほとんど休みなし状態です。その中には、最終著者校も二本あるので、プレッシャーもかかります。
でも、一日もだらっとしないことで、逆に気持ちが引き締まる感じです。
「自分が苦しい時は相手も苦しい」というジョー小泉氏の教えを胸に(浜田氏だっけ?)、いつの日か、何かの文学賞で対戦する見えないライバルも「今頃、休み返上で書いているんだろうな」と思うことで、自分を叱咤しています。
この世界の生存競争は言語に絶するほど厳しいものがあり、一瞬たりとも気を抜いたら、そこで退場を宣告されます。
かつて、松本清張氏が芥川賞を受賞し、大佛次郎氏と対談した折、そこで大佛氏が「どんどん書いて場所を埋めちゃいなよ」と言ったそうです。つまり、清張氏がどんどん書けば、文芸誌は清張氏の作品で埋まる。ところが「とてもやりきれない」と思って仕事を断ると、別の誰かがその文芸誌のスペースを埋めることになる。そうなると、彼にチャンスを与えてしまう。その中には、清張氏を凌駕する恐るべき才能を持った新鋭がいるかもしれないというのです。
 以後、死の前日まで、清張氏は死にもの狂いで書き続けたと言います。
むろん状況は、今日の方がはるかに厳しく、たとえ直木賞作家であっても、仕事をめいっぱい抱え込んで、後進にチャンスを与えないようにしないと、いつ没落するか分かりません。つまり、「場所を埋めて」才能の芽を未然に摘み取ることで、自らがサバイバルするのです。
唯一、安全圏にいるのが各文学賞の選考委員の方々です。彼らは新鋭が登場しても、さして脅威にはならないほどのステータスを築き上げているため、才能ある人を世に出すことに熱心です。
私はかつて、中堅クラスの某作家さんに「憧れのXXさんにお会いできて光栄です」と言ったところ、「これからはライバルです」と、びしゃりと言われたのには驚きました。それが現実だと知るのに、いくらもかかりませんでした。
プロの文学賞の候補者、つまり文壇で生き残っている人たちは、すべて驚異的才能ばかりです。そして皆が皆、自分が一番だと思っています。その中で頭一つ抜け出すためには、誰よりも書くしかありません。
むろん、ライバルがどれほど書いているかはわからないので、一日の睡眠時間を五時間ほどに押さえ、作業時間を8~10時間くらいに持っていくしかありません(土日も同様)。ただし歴史小説の場合、作業時間には資料精読&整理時間なども含まれるので、執筆時間そのものは、それほど取れないため、かなりのハンデがあります。
もちろん、そんなことは言い訳にしかすぎません(笑)。文学賞の戦場では、そんなものをハンデとして扱ってくれないからです。
こうした作業を最低でも五年から十年続けられるかどうかが、勝ち組と負け組の分かれ目となるわけです。
スポンサーサイト



コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

良きライバル

ご無沙汰です。
どこの世界も日々勉強をしなければふるい落とされる。
良きライバルがいてこそ自分も磨きがかかるのですね。
私の職場は8割が意味ぬるま湯なのですが、2割で凌ぎを削ったライバル関係で、今自分が正念場です。
 丁度よいタイミングでこちらのブログ読みました!!
見習って言い訳せずに日々精進します。 

Re: 良きライバル

こちらこそ、ご無沙汰していました。
mixiからいらっしゃっていただけたのですね。
ありがとうございます。

> どこの世界も日々勉強をしなければふるい落とされる。
その通りだと思います。
ただフリーの世界の競争は、企業内の出世争いとは、ほど遠いほどのサバイバルです。

> 良きライバルがいてこそ自分も磨きがかかるのですね。
ライバルを意識しまくった方が絶対に自らの腕も上がります。

> 私の職場は8割が意味ぬるま湯なのですが、2割で凌ぎを削ったライバル関係で、今自分が正念場です。
そういう職場ほど、チャンスはたくさんあります。
ぜひ頑張って下さい。

>  丁度よいタイミングでこちらのブログ読みました!!
> 見習って言い訳せずに日々精進します。 
そう言っていただけると、たいへんうれしいです。
すべては自己責任です。
結果を出せずに終わったら、それだけのものなのです。

とは言いながらも、うまく息抜きしながらやりましょう(笑)。
人生は短距離のようであってマラソンのようなところもあるので、中長期的な目標の設定も必要です。
「焦らない」という要素も大切なので、難しいところです。

No title

伊東先生
ご無沙汰しています。
安西です。
毎日精力的にご活躍されているようですjね。見習いたいものです。
我々士業の世界でも以前から淘汰は始まっています。この世界では、勝たずとも「負けない」「最後まで生き残る」ことが肝要とされています。

ところで、今日の日経新聞の夕刊に先生の執筆された小説「北天蒼星」に対する評価が載っていましたが★5つの高評価でしたね。
わたしも読むのが楽しみです。。

Re: No title

安西先生

> ご無沙汰しています。
こちらこそ、ご無沙汰いたしております。
走ってますか。
私はボチボチです。

> 我々士業の世界でも以前から淘汰は始まっています。この世界では、勝たずとも「負けない」「最後まで生き残る」ことが肝要とされています。
勝ちに走るのは勝機が来た時で十分です。
それまではロープ際に押し込まれても、耐えることでしょうね。
私もそのつもりで日々、戦っています。

> ところで、今日の日経新聞の夕刊に先生の執筆された小説「北天蒼星」に対する評価が載っていましたが★5つの高評価でしたね。
> わたしも読むのが楽しみです。。
ありがとうございます。
持てる力を振り絞って書きました。
その熱気が書面を通じてお届けできれば、これ以上の喜びはありません。
プロフィール

伊東潤

Author:伊東潤
作家伊東潤のブログへようこそ!

【最近の作品】
『巨鯨の海』
『王になろうとした男』
『峠越え』
『天地雷動』
『野望の憑依者』
『池田屋乱刃』
『死んでたまるか』
ホームページ
http://quasar.ne.jp/CCP026.html

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード