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2011-09-20

いま、小説誌が面白い

昨日(9/19)のめざましテレビで、新橋の機関車前で、質問に答える私の姿が映っていたようですね。
靴紐も、ちゃんと締められたようで何よりです。
約一名の方から、お知らせいただきました(友達、少ないオデ)。
祭日なので、私は見逃してしまいましたが、皆さんも観ていなかったのでしょうね。
一生に一度あるかないかのことですので、無念です。
ご覧になった方は、メールかコメント下さい。

さて、いよいよ今年の仕上げの時期に入ってきました。10月に小説と新書を各一冊ずつ出し、11、12月に出す新作はないので、9月末には、一足早い2011の新作作業完了といったところです。
来年の正月と4月に出す新作は、すでに脱稿していますので、来夏の新作に取り組まねばならない時期ですが、ここのところ小説誌・業界誌・歴史専門誌への掲載が増え、書き下ろしに、なかなか取り組めなくなってきました。
いわゆる、うれしい悲鳴です(笑)。
小説だけで食べていくためには、小説誌への連載と掲載がないと苦しいので、減り続ける小説誌の数と、増え続ける作家数からすると、まさにサバイバル状態になっています。
しかも小説誌は、直木賞作家クラス以外の作家には、短編読み切りを求められますので、短編に長じた作家でないと生き残れません。
むろんオーダーには、分量的な制限もありますので、短い中で、読者にカタルシスや満足感を味わっていただけるようなものを書かねばなりません。歴史小説では、これが実にたいへんで、地の文での状況説明や主要人物紹介抜きで、突然、話が始まっても、読者が違和感を抱かないものにせねばなりません。
それでも会話などで、状況説明を散りばめ、最低限の状況は理解していただかねばなりません。読者は必ずしも歴史ファンではないので、これがまたたいへんです。
また、締め切りギリギリではなく、余裕を持って入稿せねばなりません。なぜかというと、歴史小説の場合、作家一人では史実誤認やケアレスミスをしてしまうことがあるので、校閲してもらう必要があるからです。

こうしたハードルを毎回、乗り越えることで、掲載小説誌の編集部から信頼され、さらに別の小説誌からもオーダーをもらえるという好循環が生まれます。
言うは易しですが、作品的にしくじると掲載誌からも他誌からもオーダーは来ません。さすがに穴は空けられないので、脱稿した作品は何とか体裁を整えて掲載はしてくれますが、次のオーダーは、いつになるのか分からないという状態になります。
それゆえ小説誌の常連となっている中堅作家は、ある程度、重複してくるのです。いわゆる名のある作家を除けば、「常にハイレベルな短編を書ける人」か「手堅くまとめる人」のどちらかです。
こうした人は少ないため、主要小説誌は、絶対安全圏にいる直木賞作家クラスを除くと、五~六十人くらいで回している感がします。各社の文学賞を受賞した新人も毎年、大挙して流入してくるので、このうち十人くらいは毎年、入れ替わることになります。
それゆえ直木賞を取っていない中堅組は、一作も外せない状態が続きます。それぞれの実績にもよりますが、一作外すと即、危険水域に入り、二作連続して外すと、かなりまずい状態となります。
それゆえ、締め切りぎりぎりで書くなどというリスクは冒せません。少なくとも締め切りの一カ月前に脱稿し、編集担当の意見を傾聴しつつ作品を磨き上げる必要があります。

そんなこんなで最近、小説誌を読む機会も増えましたが、二十~三十年前に比べると隔世の感があるほど、ハイレベルな戦いが繰り広げられていることを知りました。日本の小説のレベルが、驚異的に上がっていることを実感できるのが小説誌なのです。
もちろん、すごい短編を読ませていただけると、こちらもファイトが湧きます。
最近の小説誌は、短編が多いので何月号からでも入りやすく、好みの作家を選べるという利点もあるため、これほどコスト・パフォーマンスがいいものはないので、一度、読んでみたらいかがでしょうか。
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拝見

伊東さま

 やっぱりご本人でしたか!
 徹夜明けで朝の寝酒(?)を飲みながら、いつものように「めざましテレビ」を見ていましたら、どこかでお見かけしたような顔が…。

 そのときは、まあ似ている人だろうとしか思わなかったのですが、やはり…。

 フジテレビの関係者は、だあれも気づいていないんでしょうか? 映像を保存しておくべきですね。近い将来、直木賞受賞作家を紹介するときに、秘蔵映像として流せますから。
 期待を込めて。

 まもなく、清盛の本が出ますね。楽しみにしております。小生も、ほんの少し版元と付き合いがありますもので。

Re: 拝見

三猿様

ありがとうございます。
どなたか分かりませんが、お会いしたことのあるご友人のようですね。
こういうのに映ると、昔のIT業界の友人とかが、「おっ、あいつ元気にやっているな。少し太ったけど」とか思ってくれるので、うれしいです。
もちろん直木賞取れば(笑)、もっと注目されるのでしょうが。
ということで、たまたまではなく、何かをもらってテレビに映るようにいたします。
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伊東潤

Author:伊東潤
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