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2017-01-01

年頭のあいさつ

あけましておめでとうございます。
皆様、いかがお過ごしですか。私は相変わらず仕事三昧です(今はデニーズにいます)。
今年の世界情勢が激変期を迎えるのと同様、出版業界も大きな曲がり角に来ていると思います。
そうした中、よりよい作品を世に出していくのが作家の仕事です。
今年は、昨年以上にパワーアップした作品群を出していけると思います。
下記は今年の発売予定です。

【新作】
2017 3月  『城をひとつ』(連作短編集) 新潮社
     6月   『悪左府の女』 文藝春秋
     9月   『西郷の首』角川書店
    11月  『幕末雄藩列伝』(新書) 角川書店
     12月  『修羅の都』文藝春秋(公明新聞連載中)

内容については、以下のようになります。
『城を一つ』北条家の潜入攪乱工作を担う大藤一族の活躍を描いた連作短編集。
『悪左府の女』摂関家の内訌に巻き込まれた女の悲劇を描く王朝絵巻。
『西郷の首』西郷の首を見つけた男と、大久保を斬った男を描く幕末の青春群像。
『幕末雄藩列伝』幕末を藩という視点から捉えた歴史エッセイ。
『修羅の都』魔界鎌倉を舞台にした源氏三代をめぐる憎悪と怨念。
(なお『修羅の都』については、翌年になる可能性があります)

【文庫】
『黎明に起つ』 講談社    2017/03   北条早雲の一代記
『野望の憑依者』 徳間書店    2017/06   南北朝時代を高師直の視点で描く
『池田屋乱刃』 講談社    2017/09  池田屋事件を志士の視線で描いた連作短篇集
『死んでたまるか』 新潮社  2017/12  薩長政府と戦った大鳥圭介の軌跡

『城を一つ』は久々の短編集です。この作品群の構想は、7年ほど前にできており、5年ほど前に2作だけ小説新潮に掲載してもらったところで、先に長編を連載してくれというリクエストが届き、残り四編を2015と2016で書いたものです。こうした複雑な経緯で生み出された作品ですが、小品集なりの切れ味は、いつも通りです。
『悪左府の女』は、保元の乱をクライマックスにした長編です。藤原頼長とある女官を視点人物にし、策謀渦巻く平安朝絵巻を展開しました。この作品も「次に何が起こるか分からない展開を歴史小説に持ち込む」ことに努めました。
『西郷の首』は熱い男たちの物語です。『鯨分限』や『江戸を造った男』と似たテイストを持つライブアルバム的な位置付けの作品です。クライマックスの紀尾井町事件に向かうスリリングな展開は、私の中でもベストな出来です。
『幕末雄藩列伝』は、幕末という激動期を、藩という視点から描いたエッセイ集です。このエッセイ集の意義は、時代の激変期に、藩主や藩首脳部が、いかに判断し、いかに対応していったかです。そこには、現代企業の生き残りのヒントが隠されています。
『修羅の都』は、武士の都鎌倉を舞台に展開する愛憎劇を、頼朝と政子の視点で描いています。得意の政治ドラマですが、本作では、とくに政子の心理をきめ細かく描いています。現在、公明新聞で連載中ですが、新聞の加入部数が伸びるほどの大好評を博しています。永井路子氏の『北条政子』に匹敵するスタンダード的作品にすべく、努力していきます。
こうしたラインナップで2017年も爆走しますので、ご支援のほど、よろしくお願いします。
まだ、どの作品もカバーがないので、『悪左府の女』の連載時の装画を掲載します。苗村さとみさんの繊細なタッチが素晴らしいです。

悪左府の女2

悪左府の女イラスト1

2016-12-30

2016年を振り返って

今年も年の瀬ですね。
私の場合、年の中盤から公明新聞で『修羅の都』が、サンデー毎日で『アンフィニッシュト』が、ほぼ同時進行で始まり、それと並行して新刊や文庫の発売も相次ぎ、短編の執筆も重なった10月から11月にかけては、生きた心地もしないほど多忙でした。

【新作】
3月 8日 『吹けよ風、呼べよ嵐』祥伝社
5月20日 『敗者烈伝』(歴史エッセイ) 実業之日本社
6月 8日  『横浜1963』 文藝春秋
9月 7日 『江戸を造った男』朝日新聞 
12月19日 『走狗』中央公論

【文庫】(解説者敬称略)
『王になろうとした男』   2016/03   解説 : 高橋英樹
『戦国秘史 歴史小説アンソロジー』2016/08 短編一篇寄稿
『峠越え』講談社      2016/08 解説 : ペリー荻野
『天地雷動』角川書店   2016/10 解説 : 木下昌輝
『実録 戦国北条記』PHP 2016/11   解説なし

【アンソロジー】
『戦国秘史 歴史小説アンソロジー』2016/08 新作短編を一篇寄稿
『時代小説傑作選』2016/09 短編『国を蹴った男』が1位に選出

3月に出した『吹けよ風、呼べよ嵐』は、川中島合戦を新解釈で描いたもので、書評家の清原康正氏から「川中島合戦を北信濃の国人の立場から詳細に描くことで、既成の合戦像が覆されていく新鮮な驚きがある」というお言葉を賜りました。
5月に出した『敗者烈伝』は、歴史上の25人の敗者と4人の勝者を取り上げた歴史エッセイです。控えめに言いますけど、これ以上の歴史エッセイは誰も書けないと思いますよ。
6月には、初めてのミステリーの『横浜1963』を出しました。歴史背景を丹念に描いた社会派ミステリーです。生まれ育った横浜を舞台にした初の作品ともなりました。おおむね好意的に迎えられて実にうれしかったです。
9月には、デビュー10周年記念作品と銘打った『江戸を造った男』を出しました。この作品については、あまりに多くの賞賛のお言葉を賜ったので、多くを語る必要はないと思います。
そして12月には、デビュー10周年の集大成的大作『走狗』を出しました。間違いなく代表作の一つとなる作品です。これほどの手応えは、『巨鯨の海』や『天下人の茶』を書いた後もありませんでした。

まさに全力で乗り切った一年でした。
年中盤では残念なこともありましたが(笑)、個人的には100%満足のいく仕事ができました。というのも個々の作品を出版した後でも、エージェントと反省点を話し合うのですが、出たのは些細な点だけで、大きなものはなかったからです。
個人的なトピックとしては、下記のような感じですね。
1位 短編『国を蹴った男』が『時代小説傑作選』のオールタイムで1位に選出される。
2位 初めてのミステリー『横浜1963』を出版。
3位 デビュー10周年を飾る。

ただし売り上げ的には、高いハードルを設けているためか、満足のいく結果は得られませんでした。
これに関しては、News PicsへPro Pickerとして参加(対談を4回実施)、ツイッター復帰(1年で1,100フォロワー獲得)、スマホ対応の新HPへの移行などを実施し、来年には満足のいく結果を得ようと思っています。
来年の計画や抱負については、新年に書きます。
それでは、よいお年をお迎え下さい。


『吹けよ風』カバー帯付き

敗者烈伝カバー(小)

28005908_1.png

2016-12-19

『走狗』本日発売!

『走狗』カバー小

幕末から明治維新という時代は、日本人の価値観が大きく変わる変革期だった。
徳川家康以来、260年余も続いた幕藩体制が、外圧によって揺らぎ始め、武士たちは新たな「国家のかたち」を模索していた。そうした中、武功によって名を挙げ、それをきっかけにして出頭の階を上っていった男がいた。
川路利良である。
利良は薩摩藩士の中でも最下層に近い与力に属し、半士半農の極貧の家に生まれた。本来であれば、そのまま名もなき男として生涯を終えるはずだったが、禁門の変で長州藩の実質的司令官である来島又兵衛を狙撃するという大武勲を挙げることで、出頭のきっかけを掴む。
幕末から明治維新にかけて、利良は西郷隆盛と大久保利通の走狗となって頭角を現し、やがて警察組織の編制を託され、自らは大警視(警視総監)にまで上り詰める。
だが明治六年、政治路線の対立から西郷と大久保が決別することで、利良も大きな岐路に立たされる。
――西郷を取るか、大久保を取るか。
利良の決断は、その後の日本の運命をも変えるものだった。
維新政府の光と闇を描いたノンストップ明治ノワール!
歴史解釈力とストーリー・テリング力が融合された伊東潤デビュー10周年の集大成的作品『走狗』を、ぜひご堪能あれ!

2016-12-03

『走狗』のカバーができました。

『走狗』カバー小

12/19発売の最新作『走狗』のカバーができ上がりました。
最前列にいるのが主役の川路利良で、左に西郷隆盛、右に大久保利通です。
背景は錦江湾に沈む夕日です。
それが、この物語の暗喩となっています。

伊東潤のデビュー10周年の集大成という帯コピーに恥じぬ大作となっています。
この一冊で幕末から維新にかけての暗黒史を知ることができます。
内容についてはまた!

2016-11-12

テレビ出演情報

英雄たちの選択

年末の出演・講演情報です。
11/17 20:00~21:00 NHK BSプレミアム「英雄たちの選択」真田信之編
http://www4.nhk.or.jp/heroes/

12/2 22:00~22:54 BS-TBS「高島礼子・日本の古都」小田原編ですから必見ですよ。

http://www.bs-tbs.co.jp/culture/koto/

高島礼子2

なお11/28の19:30からNHKで放送される「プロフェッショナル」では、佐渡島庸平氏が取り上げられていますが、たまたま収録中に居合わせ、インタビューを受けたので出ているかもしれません。
http://www.nhk.or.jp/professional/

テレビ放送はありませんが、12/23-25の三日間、パシフィコ横浜で開催される「お城EXPO2016」には、24日の15:00~17:00に行われる座談会に参加します。
お題は「小田原合戦の実態に迫る」ということで、得意ネタですね。
http://www.shiroexpo.jp/


プロフィール

伊東潤

Author:伊東潤
作家伊東潤のブログへようこそ!

【最近の作品】
『巨鯨の海』
『王になろうとした男』
『峠越え』
『天地雷動』
『野望の憑依者』
『池田屋乱刃』
『死んでたまるか』
ホームページ
http://quasar.ne.jp/CCP026.html

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